■背景・目的
台湾では、食料自給率の向上が求められ、そのアプローチの一つとして、若手就農者の増加や技術伝承が期待されています。日本で同様の課題に対して取り組んできたNTTアグリテクノロジーは、台湾の宜蘭大學およびTUTKと連携し、遠隔営農支援システムの実証実験を行います。本取り組みでは、若手就農者が必要とする知識や技術を効果的に習得できるかを検証します。この取り組みを通じて、台湾の食料自給率の向上と農業分野の持続可能な発展に寄与することをめざします。
■経緯
NTTアグリテクノロジーは、スマート農業技術を活用した日本と台湾における農業の課題解決をめざし、2024年9月23日に宜蘭大學およびTUTKとMOU(基本合意書)を締結しました。
2024年12月からは、宜蘭県の名産であるネギを対象に、ネギ栽培の指導者が遠隔営農支援システムを通じて栽培未経験者を指導することで、台湾での遠隔営農支援システムの有効性を検証しました。栽培未経験者目線では、「作物に異変が起きた際に、すぐに指導を受けることができた」、「画像を用いてネギの花の判別法を詳細に知り、収穫時期の把握にもつながった」等の有効性が、指導者目線では、「指導における移動時間の効率化ができた」等の有効性が確認されました。
(2024年9月23日のニュースリリース)
台湾の國立宜蘭大學およびThroughTek Co., Ltd.とMOUを締結
https://www.ntt-agritechnology.com/news/20240923.html
■実証実験概要
宜蘭大學の温室でマスクメロンを栽培し、遠隔営農支援システムを使用する場合と使用しない場合を比較することで、定量的な効果の導出をめざします。指導者は、栽培未経験者2名に対し、一方には遠隔営農支援システムを用いた指導を実施し、もう一方には従来の指導を実施することで、両方の効果を比較します。
■実証実験の様子

NTTアグリテクノロジー社長、宜蘭大學長、教授、
TUTK社長によるネギの収穫

宜蘭大學長が遠隔営農支援システムを利用して
メロンの苗を定植

圃場内観と定植されたメロンの苗
■主な役割
- 宜蘭大學
- 実証実験フィールド・栽培者・指導者の提供
- TUTK
- IT技術支援
- NTTアグリテクノロジー
- 遠隔営農支援システムの提供
■今後の展望
本取り組みを通じ、遠隔営農支援システムを通じた台湾の農業振興につなげ、本システムの台湾内での普及拡大の参考になるようなプロジェクトへの昇華をめざします。
■本件に関するお問い合わせ先
- 株式会社NTTアグリテクノロジー
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- Email: contact@ntt-agritechnology.com
- ※ @は半角に置き換えて下さい。
- 担当:阿部、富松