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岩手県紫波町
スマート農業の実証で栽培環境を見える化!
リアルタイムデータの活用で農作物の品質安定化と生産性向上を実現した実証実験
この事例紹介の記事は2019年05月29日時点のものです。

背景と課題
紫波町赤沢地区では、地域農業の発展と品質向上を目指して、松原農園とNTT東日本が協力し、スマート農業の実証実験を行いました。この地区では、特にシャインマスカットなどの大粒種ブドウの栽培が増えており、品質のばらつきや作業効率の問題が大きな課題となっています。これらの課題を解決するために、IoT技術を活用した新しいアプローチが導入されました。

導入したIoTソリューション
実証実験で導入されたのは、NTT東日本が提供する次の2つのIoTソリューションです。
- eセンシング for アグリ
圃場ごとに設置したセンサーを使って、温湿度、照度、土壌の性質などの栽培環境データをリアルタイムで収集し、オンラインに蓄積する仕組み。このデータを基に、農園主は栽培方法を見直し、作物に最適な環境を維持することができます。 - おてがるIoTパッケージ
IoTゲートウェイ、ネットワークカメラ、作業管理アプリを活用して、農作業の効率化とデータの可視化を実現するシステムです。これにより、農作業の進捗をスマートフォンで確認でき、遠隔から圃場内の状況をチェックすることができます。

導入後の効果
これらの技術が導入された結果、以下のような効果が得られました。
- 栽培環境の見える化
IoTセンサーを活用することで、温湿度や土壌の状態などのデータをリアルタイムで把握できるようになりました。これにより、作物の生育状況を正確に把握し、栽培方法の改善に役立てることができました。 - 作業の効率化
遠隔操作で圃場の状況を確認できるネットワークカメラや作業管理アプリを活用することで、農作業の効率が大きく改善されました。従来、写真での情報共有に頼っていた部分が、リアルタイムでの情報交換に変わり、作業負担が軽減されました。 - 品質の安定化
栽培環境のデータを基にした環境管理が進んだことで、品質のばらつきが減少し、安定した品質での収穫が実現しました。

関係者の声
様々な関係者のみなさまからお声をいただきました。
松原農園
「これまで写真で情報を共有していたのですが、リアルタイムで情報を共有できるようになり、作業の負担が減りました。畑に行かなくても状況が把握できるので、安心して管理できるようになりました。」
紫波町
「IoTを活用することで、地域の農家同士での情報共有が進み、品質や生産性の向上に繋つながると期待しています。」
JAいわて中央
「こういったシステムによるデータの集積が、今後同一品種の栽培に取り組もうとする方々にも共有されることで、品質の向上につながるのではと考えます。」
NTT東日本
「岩手県内で初めて行ったこの実証実験を通じて、地域農業の課題解決に取り組みました。今後も地域農業の発展を支援していきたいと考えています。」

関連リンク
報道発表資料

