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山形市

山形県:セルリー

ブランド野菜『山形セルリー』の挑戦

スマート農業の力で生産振興を実現した山形セルリー復活への道

この事例紹介の記事は2018年10月01日時点のものです。

取組の背景

日本の農業は後継者不足や高齢化が進んでいますが、そんな中で注目をされているのが「スマート農業」。IT技術やセンサーを活用して、生産性の向上や効率化を目指す取り組みが、山形市の「山形セルリー」で進められています。ここでは、JA山形市が取り組んだプロジェクトをご紹介します。

「山形セルリー」復活への挑戦

1968年に始まった「山形セルリー」は、かつて東北随一のブランドとして知られ、出荷額も1億円を超える人気を誇っていました。しかし、生産者の高齢化や栽培面積の減少が影響し、出荷額は半減。こうした状況の中、JA山形市は「山形セルリー農業みらい基地創生プロジェクト」を立ち上げ、新規生産者の育成とスマート農業を活用して、セルリー再生を目指しています。

ICTで栽培管理がラクに効率的に

プロジェクトの一環として導入された「eセンシング For アグリ」は、圃場の温度、湿度、照度などのデータをリアルタイムスマートフォンで確認できるシステム。これにより、生産者は現地へ行かなくてもデータを確認し、必要な作業を管理できるようになり、負担が大幅に軽減されました。さらに、データの共有によって、ベテラン農家から新規生産者へのノウハウの引き継ぎがスムーズに進んでいます。

次世代の農業者が育つ環境

この取り組みには、20代から40代の新規生産者が参加しており、指導を受けながら技術を習得しています。栽培ハウスを提供し、研修を経て手頃な価格で借りられる仕組みを作ることで、次世代農家の定着を支援しています。これにより、若手生産者は安心してセルリー栽培に取り組むことができ、地域農業の未来を切り拓く可能性が広がると考えています。

認証取得で全国へ発信

山形セルリーは、2018年に農林水産省の「地理的表示保護制度(GI)」に登録され、ブランド力が強化されました。また、農業の安全基準である「JGAP」認証も取得し、その品質の高さが証明されました。これにより、山形セルリーは全国的に認知され、消費者からの信頼を得ることができました。

未来に向けての発信

今後もJA山形市は、さらなる生産環境の整備と新規生産者の受け入れを進め、出荷額をピーク時の1.5倍にすることを目指しています。スマート農業の導入により、高品質な「山形セルリー」を安定的に供給し、地域農業の再生を目指していきます。

スマート農業で地域を支える

ITとセンサー技術を活用することで、山形セルリーの栽培は劇的に効率化され、次世代の農業者が育成されています。高齢化や後継者不足という課題に立ち向かい、スマート農業が未来の農業を支える力となることが期待されています。

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