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高知県

高知県

プライベートネットワークを活用したデータに基づく栽培(データ駆動型農業)の社会実装に向けた取り組み

プライベートネットワークを用いて、高知県loPクラウドの普及促進と農業振興を実証実施

はじまりの背景と目的

高知県では、農業の効率化を目指し、データ駆動型農業を推進しています。その一環として、農業分野で活用される「高知県loPクラウド」が導入され、農業生産者がリアルタイムで栽培環境データや出荷データを確認できるようになりました。

しかし、このクラウドを利用するには通信費が高額になるという課題がありました。そこで、新たに導入されたプライベートネットワーク「IEEE802.11ah規格」を活用した実証実験が開始されました。この取り組みにより、農家の負担を軽減し、より多くの生産者がクラウドを活用できる環境の整備をめざしています。

実施内容と進行

実験は、高知県安芸市の「JA高知県安芸集出荷場」を基地局とし、周辺の6農家・10圃場に新しい通信技術を導入する形で実施されました。

従来は農家ごとに通信設備を設置する必要がありましたが、この通信技術「IEEE802.11ah規格」を活用することで、基地局を通じた一元管理が可能となり、通信費を大幅に削減できる仕組みとなっています。

さらに、この技術は農業分野だけでなく、防災分野での活用にも期待されています。たとえば、地滑りや鳥獣被害の監視などにも応用され、地域全体での情報共有が進んでいます。

実証イメージ

結果と成果

この実証実験により、通信費の大幅な削減が実現しました。従来は農家ごとに通信環境を整える必要がありましたが、基地局を活用することで、各農家が負担していた通信費がゼロに。その結果、loPクラウドの導入ハードルが大きく下がり、農家にとってクラウドを活用しやすい環境が整いました。

また、通信インフラの改善により、データ送信の効率化も進みました。生産者は、温湿度データや作物の画像データなどを、これまでより簡単にクラウドへ送信できるようになり、運用の手間が大幅に軽減されました。

各社の役割と連携

各社がそれぞれの得意分野で貢献しました。

高知県:プロジェクトの全体的な企画と運営

高知電子計算センター:実証全体の管理と機器設置工事の手配

ぷらっとホーム株式会社:IoT機器の提供とIP設計

高知システムズ株式会社:ユーザビリティの検証

NTTアグリテクノロジー株式会社:プライベートネットワークの構築と効果の検証

今後の展望

この実証実験を踏まえ、高知県loPクラウドのさらなる普及が期待されています。今後は、全国の自治体でもこのモデルが導入される可能性があり、データ駆動型農業の拡大によって、農業の効率化や生産性の向上が実現するでしょう。

また、防災分野での活用も進んでおり、地域の安全性向上に貢献することが期待されています。地滑り監視や鳥獣害対策システムとしての導入が進むことで、地域全体の連携が強化されるでしょう。

まとめ

高知県loPクラウドの普及を加速させるために導入されたプライベートネットワークの実証実験は、大きな成果を上げました。この取り組みにより、農家の負担が軽減され、より多くの生産者がloPクラウドを活用できる環境が整いました。

今後、この取り組みが全国へと広がることで、データ駆動型農業の実現が進み、地域全体の安全・安心の向上にも貢献できると確信しています。

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