NTT東日本千葉事業部は、千葉市と協力し、次世代農業の担い手を育成する取り組みを進めています。2018年に始まった「eセンシング For アグリ」の実証実験では、農場環境をリアルタイムで監視し、データを活用によって生産性の向上や省力化を目指してきました。今回、実証実験の第二弾として、千葉市内の観光農園「フルーツランドとけ観光いちご園 エーアト・ベーレ」と連携し、熟練農家の栽培技術をデータ化して次世代農業従事者に伝えていくことをめざしています。

この取り組みでは、環境発電を利用した電源なしで設置可能なセンサーを使い、圃場の温度や湿度、照度などのデータを収集します。これにより、農業現場の環境情報をリアルタイムで「見える化」し、農業従事者が遠隔地からでも効率的に圃場を管理できるようにしています。熟練農家の技術をデータとして蓄積・共有することで、新規就農者や経験の少ない農業従事者が迅速に技術を習得しやすくなります。

エネルギーハーベスティング技術を活用し、太陽光などの自然エネルギーで動作するセンサーを使用することで、電源を引く手間なく、どこでも簡単に設置できます。また、LPWA技術を活用してモバイル回線のコストを削減し、広範囲にわたるデータ収集が可能になります。

収集したセンシングデータはオンラインストレージ「フレッツ・あずけ～る」に自動で保存され、スマートフォンやPCを通じてリアルタイムで圃場の状況を確認できます。設定した閾値を超えると警報が届き、迅速な対応が可能です。

これらの技術を活用することで、農業従事者同士の情報共有や営農指導が進み、その結果、農業現場の効率化が期待されます。また、新たな農業に取り組む方々にとっても、短期間で技術を習得できる環境が整いつつあります。

NTT東日本千葉事業部は、これからもスマート農業を支えるために、センサー技術やICT技術をさらに活用し、農業の未来を支える取り組みを推進していきます。